2018.5.22
レナードの朝
原題:Awakenings
オリバー・サックス医師のノンフィクションが原作。
第63回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞、脚色賞でノミネートされた。(一覧は「アカデミー賞作品を気長にみよう作戦」で。)
ペニー・マーシャル監督の他の映画は知らない。レナードの朝の脚本を書いたのはスティーヴン・ザイリアンで、「シンドラーのリスト」や「ミッション:インポッシブル」「ハンニバル」「ギャング・オブ・ニューヨーク」「ザ・インタープリター」「アメリカン・ギャングスター」「ドラゴン・タトゥーの女」を書いている。ゴイスー。
レナードの朝の映画情報
原題 | Awakenings | ||
---|---|---|---|
制作年 | 1990年 | 制作国 | アメリカ |
上映時間 | 120分 | ジャンル | ドラマ |
映倫 | - |
監督 | ペニー・マーシャル |
---|---|
キャスト | ロバート・デ・ニーロ |
以下「レナードの朝」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「レナードの朝」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
レナードの朝のあらすじ・ストーリー
研究を専門にしてきたマルコム・セイヤー医師(ロビン・ウィリアムズ)は、慢性神経病患者専門の病院に赴任してきた。
セイヤーは根気よく患者たちに寄り添って治療の糸口を探していると、反射神経があることに気づいた。
さらに、パーキンソン病の新薬を使うことを試みると、最も重症と思われるレナード(ロバート・デ・ニーロ)が30年ぶりに自我を持って目覚めたが…。
レナードの朝をみた記録
30年間という年月のその重みとはどんなものか。生を受けて、立ち上がり、歩き出して、学生になって、勉強して、受験して、大人になって、恋愛して、結婚して、命を授かる、くらいのサイクルが丸々包み込まれるくらいの30年間。その30年で空いた大きな穴は、そう簡単に埋められるわけがないのは誰でも想像がつきそうだ。目が覚めたからといって自由がない環境、また何年も眠ってしまうのではないかの恐怖、今が最高潮でここから落ちていくしかないかもしれない不安は想像を絶する。
しかもこれが現実にあったことなのだからなおさらだ。見た目はミドルでも中身は子ども。30年間を無で生きてきた時間の止まったレナードのやりきれなさに胸が痛むね。恋したポーラと踊るシーンは、もう何にもいえないくらい辛いものがあったよ。
セイヤー医師の献身的で思いやりのある人柄も心を打たれる。彼のように、何かのためになる仕事をしようって気持ちにもなる。レナードとの心あたたまる友情もそうだけど、難病に挑む医師の姿は人間のお手本のようだ。こういう人は、周りの心も動かして、物事を変える力があるよね。
到底理解できないレナードとセイヤー医師の努力を見習って、自分も希望を持って生きていきたいな、と思わせてくれた。