2019.1.11
SHAME -シェイム-
衝撃の問題作として話題になった映画。
ヴェネチア国際映画祭男優賞、LA批評家協会賞男優賞、ゴールデン・グローブ男優賞ノミネート、英国アカデミー賞主演男優賞・作品賞ノミネート、ヨーロッパ映画賞作品賞・監督賞・男優賞ノミネートなどなど、とにかくノミネート・受賞がすごい。
SHAME -シェイム-の映画情報
原題 | Shame | ||
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制作年 | 2011年 | 制作国 | イギリス |
上映時間 | 101分 | ジャンル | ドラマ |
映倫 | R18+ | ||
オフィシャルWeb | http://www.cinemarise.com/theater/archives/films/post-53.html |
監督 | スティーヴ・マックィーン |
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キャスト | マイケル・ファスベンダー |
以下「SHAME -シェイム-」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「SHAME -シェイム-」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
SHAME -シェイム-のあらすじ・ストーリー
ニューヨーク。仕事も成功し、スマートに生活しているブランドン(マイケル・ファスベンダー)は、セックス中毒。
行きずりの関係や娼婦と夜な夜なセックスに明け暮れ、オフィスや自宅でマスターベーション、病気のように性欲を処理する日々。
ある日、ブランドンの元に妹シシー(キャリー・マリガン)が何日か泊めてくれと転がりこんできた。シシーは男性に依存し感情的、ブランドンとは真逆の心配が必要な妹。
ブランドンは鬱陶しいようで心配な妹が気掛かりだが、何かから逃げるようなブランドンはバランスを崩しはじめる…。
SHAME -シェイム-をみた記録
流し見とかしていたら注意。温度もテンポもずっと一定で、なんだか不気味な雰囲気すらある独特な世界観。ワンカットの長いシーンが多くて、他人の日常を覗き見しているだけのような気にもなってくる。
この映画に隠された、本当のSHAME(シェイム)。
なんだか距離感が普通のそれと違うような兄と妹。
ちょっとした違和感だけがずっと続いて、多くを語らずエンディング。
多くを語らずとも、彼らが苦しんでいるところは伝わってきたものの、普通の生き方をしている人間からすると兄と妹の兄妹愛とは”別の愛”は理解ができないために、スーッとは入ってこない。
セックス中毒な兄ブランドン、セックス中毒が先なのか、禁断の愛から逃げるためにセックス中毒となったのか、その辺りはわからないけど、病気のような愛のないセックスだけに快楽を見出す辺りは、愛を感じたり与えたりできる人間という生き物なはずなのに、かわいそうでならないね。
愛しているからこそ遠ざけたけど、安定していた生活の中に突然引き戻された妹の存在、起きてしまったことは変えられなくて、一生苦しんで行くことになるんだろうけど、その苦悩はなんとなく他人事として見てた。
ただ、本当に愛しているひととしあわせになれない、というところだけを抜き取れば、あたしにも少しは気持ちがわかる。
ほかの男性とはてんでうまくいかないシシー。
ブランドンの元を訪ね、ほかのどの男性よりも頼れる存在で、甘えられる存在で、弱い心のシシーは絶対的な存在のブランドンがいないとやっぱりダメ。
ダメとわかっていても、ブランドンに寄り添いたくて訪れるも、禁断の関係を忘れ去りたいブランドンとしては突き放すしかなく、構ってほしいためか自分を傷つけることをやめられないシシー。
あたしにも弟がいるから、考えれば考えるほど自分が正常で安心する。
とても評価が高い映画で、予告でもとんでもない数の受賞があることがわかる。
“見せ方”がすごい映画なんだろうけど、淡々と進む映画で意味を考えることに注力しなければ、どんどん退屈になりそうな映画でもあって、あたしみたいな人間がギリギリわかるだけで、能天気にこの映画をみると途中でリタイヤしそう。おもしろい映画、という表現はおかしいのだけど、確かにこんなテーマがあってもおかしくないし、妙な世界観や本当の意味を知ろうとする見方が必要なのも見ごたえがある
マイケル・ファスベンダー
ドイツ1977年生まれ。アリシア・アマンダ・ヴィキャンデルという女優と2017年に結婚。うらやましい。
相当に色男の彼、かなり衝撃的な表情をみせたこの映画のブランドン役。暗がりではあるけど、まさかマイケル・ファスベンダーの下半身までみることになるとは思わなかった。素直に瞬きはしないでおいたけど。
重要なことは一切語らず、表情で伝え続けていたブランドンの心情、何を考えているのかがわからないし、生活感もほとんどないし、不気味であったけども、それがつまりすごいということなんだろう。ヴェネチア国際映画祭の男優賞受賞おめでとう。まさに実力派俳優て感じ。