ブルー・リベンジ
コーエン兄弟の再来とうたわれる本作!
このフレーズとジャケットだけでレンタルしてみたよ。知ってる役者はひとりもいなかったな。
2013年カンヌ国際映画祭監督週間で、国際批評家連盟賞を受賞したんだって。
原題は「Blue Ruin」。Ruinは破滅や台無しって意味があるみたいよ。
ブルー・リベンジの映画情報
- 原題:Blue Ruin
- 2013年/アメリカ、フランス
- クライムサスペンス/91分(-)
監督:ジェレミー・ソルニエ
キャスト:
メイコン・ブレア
デヴィン・ラトレイ
エイミー・ハーグリーヴス
ケヴィン・コラック
イヴ・プラム
デヴィッド・トンプソン
以下、ネタバレを含む場合がありますのでご注意ください。
あらすじ・ストーリー
青い車でホームレス生活をしているドワイト(メイコン・ブレア)。
ある日、両親を殺した犯人が司法取引で刑期満了前に出所した。ドワイトは両親を殺した犯人に復讐するために追い、見事犯人を殺すことに成功する。
しかし、死んだ犯人の仲間たちのが仕返しにやってくるが…。
ブルー・リベンジをみた記録
青い車のなかで寝泊まりしてホームレス生活をしているドワイトは、ある日警察官に呼ばれ、ドワイトの両親を殺したウエインが刑期を前に出所すると知らされる。
ドワイトは、ウエインの出所当日に車で追跡した。ウエインは帰宅後、出所祝いをしている様子で、ドワイトは隙をついてウエインを殺した。すぐに車へ戻るが、鍵をウエインを殺した際に落としてしまったため、自分の車は置き、ウエインの車に乗って逃走した。
復讐を果たしたはいいが、じぶんの車を置いてきてしまったために、ウエインを殺したのがドワイトだということは明らか。しかも車の所有者はドワイトの姉なので、ウエインを殺された仕返しが姉のところに来ると踏んで、ドワイトは何年かぶりに姉の家へ向かった。
弟ドワイトを心配する姉はふたりの子どもを持つ母。ドワイトは復讐をしたと伝え、仕返しにやってくるであろうウエインの仲間や家族を迎え撃つ覚悟を決め、姉を避難させ、近々やってくるはずの仕返しに備えた。
一瞬ここで映画の色が変わる。まるで「ホーム・アローン」(1990)のように、姉を襲いにやってくる奴らを撃退する準備がはじまる。とは言っても、「ホーム・アローン」(1990)のケビンのほうが100倍かっこよくて強そうで、ドワイトが実は頭がキレる奴だとか、腕っ節がすごい奴だとかの描写がないから、なんだかものすごく不安になった。ホームレス生活をしてどのくらい経ったのかわからないけど、ふつうのひととおなし体力があるかもわからないしね。ただ、なんなら死んでも構わないくらいの復讐への情熱だけは感じられた。
しばらくしてウエインの仲間ふたりがドワイトの青い車でまんまと仕返しにやってきて、負傷するもどうにかひとりを人質にとり、ひとりを追い返した。青い車も無事に取り戻したことになる。
その負傷がまさかの矢が太ももに刺さるという、現代では考えられないような傷で、病院へは行けないと思った彼は、薬局で治療に使えそうなそれっぽいものを購入。じぶんで矢を抜こうとする悲痛な叫びとともに画面は変わって、諦めて病院の受付に駆け込んだシーンはウケた。
治療後に目が覚めたドワイトは病院を抜け出し、青い車に戻った。次に向かうは旧友ベンのところ。ベンは銃に詳しく、さらに所有もしてる。
しばらく会っていなかった友だちだけど、ドワイトが両親を殺されてから交流がなかったんだろう、状況を早々に察してくれて、ドワイトはベンに初心者用の銃を借りて、恐る恐るトランクに閉じ込めていた人質に尋問した。
しかし善良な市民ドワイトは、余裕で人質の口車に乗せられて形勢逆転、銃を奪われてドワイトが銃口を向けられ殺されるところに、機転の利くナイスガイのベンが、正当防衛になる瞬間でベンの頭を吹っ飛ばした。超使える奴ベン!
間一髪助かったドワイトは、人質から聞き出したヒントをもとに、とは言ってもほぼウソだけど、ウエイン一味を全滅させるべく、再びウエインの家に向かう。
ウエインの家にはだれもおらず、仕掛けをしてウエインの家族の帰りを待った。やっと現れた家族をパンパンッとぶち殺すも、やたら強気の女たちと子どもに、じぶんも返り討ちに遭い、ドワイトも倒れる。
ただひとり、子どもだけはその場から逃がすことを選択し、子どもは歩いて去っていく。
言葉も少なく、かっこいいわけでもないドワイトだけど、同情だけは募るようなそんなキャラクター。両親が殺されただけで悲しさは十分なんだけど、復讐は延々終わらないということ、復讐はさらに憎しみを生むこと、なにに希望を抱くべきかなど、問いかけているかのような映画。
事件の真相は、ドワイトの父親とウエインの母親が不倫関係にあった。ウエインの父が気付いてドワイトの両親を殺した。が、ウエインの父は癌、初犯になる息子ウエインか司法取引も容易そうだと父の身代わりに捕まったというもの。真犯人であるウエインの父は安らかに死んだと。
ドワイトの複雑さはわからなくもないけど、あたしにしてみればどう考えてもウエインをかばう家族も同罪。ドワイトのお人好し部分が垣間見えるシーンは焦れったいものがあるけど、だからこそ主人公、この映画のストーリーの要でもあるのかも。
しかしとても緊張感のある映画だったこと。姉の家の立てこもりシーンは笑えたけど、不器用で危なっかしいドワイトを見ていると冷や冷やする。加えて、人間が殺されるシーンがけっこうリアルに描写されているからおっかない。
“コーエン兄弟の再来”なんてジャケットに書いてあったもんだからレンタルしたけど、それを感じられたのはその点だけだったかな。この映画には人間味や優しさがあるからね。無慈悲な映画撮りがちなコーエン兄弟とはそこが大いに違う気がする。
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