2018.6.20
HERO(2002)
原題:英雄
第75回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたんだって。
予想していた鮮やかな色づかいに魅力される…ではなく、英雄伝説を伝えるすごい映画だったよ。だからきっと、視覚効果とかそっちではなく、アカデミー賞も外国語映画賞ノミネートだったんだとおもってる。もしや視覚効果賞って外国映画は入らない?
カテゴリー:アクション
HERO(2002)の映画情報
原題 | 英雄 | ||
---|---|---|---|
制作年 | 2002年 | 制作国 | 中国 |
上映時間 | 99分 | ジャンル | アクション |
映倫 | - |
監督 | チャン・イーモウ |
---|---|
キャスト | ジェット・リー |
以下「HERO(2002)」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「HERO(2002)」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
HERO(2002)のあらすじ・ストーリー
秋春戦国時代、秦王(チェン・ダオミン)のもとに趙の刺客を討ち取った無名(ジェット・リー)が訪れた。刺客を殺した褒美として、本来王へは100歩と近づくことを禁じられていたが、10歩まで近づくことを許された。
秦王は、趙の刺客3人をどのように殺したのかを無名に話すよう命じ、無名はどのように殺したか経緯を明かしたが…。
HERO(2002)をみた記録
2000年以上も昔の中国は、7つの国に分かれ、人々は戦乱に苦しんでいた。
天下統一を目指す最強国秦の国王は、他国が放つ刺客に命を狙われていた。
秦王暗殺には数々の伝説が残されている。
この物語はその1つである。
このメッセージからはじまった。
なぜ今さらみてみたか。漫画キングダムを読んで春秋戦国時代の映画なんかないかなーで見つけた一本。
当時は中国の歴史映画なんて興味なかったからな〜。でも当時とても話題になってた記憶ある。
みてビックリ。超ファンタジーだった。
趙の刺客たちとの展開は色鮮やかな朱色、青色、白色、緑色に色分けされていて、斬新な演出で話のテンションを区別。色鮮やかとはいっても、自宅のテレビで、しかも当時の映像のクオリティはいまの映画に比べたら雲泥の差だから、当時映画館でみたら圧倒される色彩なんだろうなって他人事だったけど。
いわゆるワイヤーアクションなのかな、終始それで、各剣人たちが舞う舞う。きれいと言えばきれいだけど、みた時代がわるかったんだと飲み込んだ。
映像美の評価が高いことで有名と聞いていたけど、残念ながらあたしはそこにはピンとこず、剣の達人たちがじぶんの身体能力までもが身軽で高速で、まるで超能力者つまりX-MEN的な異質な人種とゆ、SF的なファンタジックな面におどろかされた。
ここ数年のあいだに、はじめてみたひとは、どれをみて映像美を褒めているのか謎だ。
演出の評価なら納得できる。ほぼワイヤーアクションでできている舞いのような剣術は、ワイヤーアクションに精魂込めないとできないことだろうし、無名や残剣たちが、いかに超人的なのかを理解するには十分だったし、その超人の域に達するための類い稀ない努力を知らしめたわけだ。
これこそ映画館でみていたら、グッと引き込まれたのかもしれないね。
そして、なによりもおもしろかったのはストーリーだった。
後の始皇帝、秦王が死ぬことはないと分かっていたから、このまま無名がどうやって秦王を殺さずに終えるのかがたのしみでならなかった。
どれだけの想いを背負ってきたか、いろんな演出をしてまで秦王に近づき、そこで天下統一を果たすに足る男かを知るには大変な道のり。
もしかしたら、無名は秦王を殺す気がなく宮廷を訪れていたのかもしれないとか、あの瞬間、殺すことを踏みとどまったのかなとか、いろいろと考えた。
たった数人しか登場しないし、剣を交えるシーンが9割だっつーのに、まして99分とゆ短さでグッとおもしろさを深めたのは、無名だとおもっていた。
でも、違かった。
けっきょく、この映画のHERO、つまり英雄は秦王だったのかな。刺客をも認めざるを得ない力と器と可能性を持った秦王が、いかに傑物だったかを示す映画なんだとおもった。
ラストの秦王が下す決断のためのすべては序章。こんなにすんげー奴らが、あいつは殺すべきじゃない、中華を統一するヤバい奴だって思わせるための演出。
こんなストーリーを平凡だと言うひとは、すこし理解できないかな。
総じて、キングダム云々を差し置いて、みておいてよかった。ジェット・リーだからって、そっちだけをみていてはダメだ。トニー・レオンだけをみていてはダメだ。
暴君になってしまい、悲しい死を遂げてしまった始皇帝も、中華統一をするまでの道のりは、つらい判断の連続だったことを汲み取るべきなんだろな。
予告の最後でも言ってた。『この国はまだ本当のヒーローを知らない』。
これって、まだ始皇帝になる前の偉大な王、秦王のことなんじゃないかってな。