2018.4.12
ドラえもん のび太の南海大冒険
ドラえもん映画シリーズ19作目。第16回ゴールデングロス賞優秀銀賞、第2回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、第53回(1998年度)毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞。
今回の映画から、多くの人が知っている有名人が声優を務めてる。最近ではアニメの声優を有名な女優がやったりするけど、これが先駆けだったりして。
同時上映は『ザ☆ドラえもんズ ムシムシぴょんぴょん大作戦!』と『帰ってきたドラえもん』。
ドラえもん のび太の南海大冒険の映画情報
原題 | |||
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制作年 | 1998年 | 制作国 | 日本 |
上映時間 | 91分 | ジャンル | アニメ |
映倫 | G | ||
オフィシャルWeb | http://www.dora-movie.com/film_history/history_19.html |
監督 | 芝山努 |
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キャスト | 大山のぶ代 |
以下「ドラえもん のび太の南海大冒険」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「ドラえもん のび太の南海大冒険」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
ドラえもん のび太の南海大冒険のあらすじ・ストーリー
のび太たちは、夏休みのグループ研究をしていたが、のび太は「宝島」の本に夢中だった。宝島のような冒険に憧れ、ドラえもんに宝島のような冒険がしたいとねだったところ、ドラえもんに秘密道具『宝さがし地図』を出してもらう。のび太は『宝さがし地図』でピンポイントで宝の在りかを突き止めた。
のび太はドラえもん、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんと宝が眠る島への航海へ出発する。しかし、突然次元の歪みでのび太たちは17世紀に移動してしまう──。
ドラえもん のび太の南海大冒険をみた記録
はじめてみた南海大冒険だけども、こうも藤子・F・不二雄が死去してからガラリと変わって大スペクタクル。ぬくもりを残しつつ絵がクリアになったのも驚きだったけど、映画自体の構成も改めた風。ドラえもんの声は大山のぶ代だし、声優を改めた最近のドラえもんと区別すると、この映画もいわゆる”昔のドラえもん”になるわけだけど、第2世代に入ったようなイメージ。
秘密道具があるのだから、本当は何でもすぐに解決するはずな事件を複雑にしてきた多くのシリーズとは違って、ドラえもんのポケットを紛失させて窮地に追いやるところがミソ。これまでの映画でもドラえもんが道具を使えない、またはポケットがないという状況は何度かあったけども、物語のために強引な展開だったがそれとは違う。ポケットだけでなく、だれもが思う『タイムマシンやタイムふろしきですべて元通りさせてしまえばいのに、敵なんてやっつけちゃえばいいのに』を言わせなくしたのははじめてだろう。
そしてドラえもんの映画といえば、風刺をきかせた社会問題に触れたテーマはかわいい犬猫など動物を量産したり品種改良したりするペット業界などの問題を、科学で動物をはちゃめちゃにするキャッシュの悪巧みで描いたのだろう。しかし今回はどちらかというと、いかにドラえもんの力を得ず、じぶんたちの勇気とチームワークで困難を切り開いていくか、のび太くんのがんばりと『冒険』のほうが色濃く残った気がする。なにせ本当の窮地だからね。
ゲストキャラクターの声優で特によかったのが、キャプテンキッド役の江守徹、海賊の乗組員ゴンザレスの林家木久蔵、乗組員パンチョの林家こぶ平。特に江守徹はさすがベテラン、多くの下手っぴアテレコとは比べものにならないくらい安定していて、声でも芝居ができる役者なのだと感動した。特徴的な声で合う合わないはありそうだけども、当然ながらさすがぴたりと声をつけていたように思う。