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2018.3.28

ウォー・ドッグス

ウォー・ドッグス

実際に起きた詐欺事件を映画化。監督は「ジョーカー」(2019)や「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップス。

ウォー・ドッグスの映画情報

原題 WAR DOGS
制作年 2016年(劇場未公開) 制作国 アメリカ
上映時間 116分 ジャンル コメディ
映倫 -
オフィシャルWeb 116分
監督 トッド・フィリップス
キャスト

ジョナ・ヒル
マイルズ・テラー
アナ・デ・アルマス
ブラッドリー・クーパー

ウォー・ドッグスのネタバレを含む場合があります

以下「ウォー・ドッグス」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
ウォー・ドッグス」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。

ウォー・ドッグスのあらすじ・ストーリー

2005年にさかのぼる。マイアミでマッサージ師をしていたデビッド・パッカウズ(マイルズ・テラー)22歳。人生を変えたいと思っていた。
ある日、幼い頃の親友エフレム・ディベロリ(ジョナ・ヒル)が街に戻ってきた。エフレムは故郷を離れた後、武器商を成功させていた。再会した二人はエフレム指導のもと、国防省に武器を売る国際武器商の会社を立ち上げた。
二人の努力は実り、武器商売を軌道にのせ大きな取り引きに打って出るが。

ウォー・ドッグスの予告動画または関連動画

ウォー・ドッグスをみた記録

まず、コメディーとされてるぽいけどそうは思わなかったということと、劇場未公開映画だということを言っておこう。そして、大真面目におもしろいドラマだということと、劇場未公開にしちゃうほど採算とれないと判断したバカタレはだれだと思っていることも添えておこう。こんなに豪華な顔ぶれなのに、監督はあのトッド・フィリップスなのに。

ほんとの詐欺事件、当時は賑わせたでしょう。20代の若者が国を相手に詐欺を働いたのだから。ぜんぜん知らないけど。

武器商人の成功と堕落を描いた映画とは思ってない。あのパワーは若いからだと言えば、たしかにそうかもしれないけど、詐欺だとてあれだけ努力できる若者はそういないじゃん。
あたしは結構感動した。あんなバカふたりがまともに商売して富を得たんだから。

ただ、これは詐欺だということ。それは当然ながら問題なんだけど、深刻な問題が起きたときじぶんならなにをする?あたしだったら間違いなくこの案件を捨ててる。仕方がない、降りるしかないと諦める。とは言え、弾薬が中国製だとわかって問題となったとき、外見だけ変えればえーやんと呟いたのは事実だけど。
だからといって、行動に移せるひとは1パーセントもいないでしょ。常に最悪を考えておかなきゃいけないビジネスの世界で、たしかに彼らは未熟だったかもしれない。でも、じぶんたちの責務を果たそうとして対価を得ようとして、偽装する作戦に出た彼らにあたしは心のなかで拍手した。

あの大きな取り引きに臨んだ頃には、彼らのなかで自信がつくくらい大きく成長していたからなんだろうけど、だとしたらそこまで大きくなれたのには間違いなくひとと比べられないくらいの努力があったはずだ。
そもそも、詐欺事件になってしまった取り引きをするまでは、国際武器商人としてまっとうにビジネスを成功させてたんだから。
どんなビジネスだって、多くの場合で一度成功したら拡大を目論むものだし、どんどん自信をつけていくものだとおもうし。
扱う商品が武器だっただけで、彼らはつまり商売を成功させたに過ぎないわけだった。
それがどれだけすごいことか、だれでも分かることだし、だれでもうらやましいとおもう。

さらにすごいのは、そんな状況でも良心を捨てなかったデビッドとその妻イズ。若気の至り的なところも少々かんじるものはあったけど、信頼してるふたりにはすこしヤキモチやいたくらいだ。
金ではなく愛を求める妻、金を捨て家族に愛を捧げた夫。そこまで大げさな表現しなくてもいいのかもしれないけど、あたしはそれくらいいい夫婦に見えた。

ほんとにおもしろかったから、あんまりストーリーのことは言いたくないんだけど、やっぱり言っちゃう。
欲をかかず、人を恨まなかった人間には、後になって見返りがあった。この手の話はやっぱり刺さる。
あたしには非常にむつかしい課題だから、これができる人間は神様だとおもっちゃってるから、こーゆー人間になりたい願望があるから、感心しかなかった。

人の欲はほんとに恐ろしいものなのか。
大金を手にしたことがないのに、給料日になるとハァハァする、そんくらいのレベルでハァハァしているくらいだから、大金を手にしたら欲望は爆発すんのかな。こればっかりはそうなってみないとわかんないな。そうなる予定も向こう3ヶ月くらい無いだろーから想像すらできない。向こう3ヶ月はやたら短いけど、あたしの残りの人生ほぼ成功の可能性なしはつらいので3ヶ月くらいとした。
と、諦めているくらい、たぶんその辺の一般人はじぶんの成功に可能性を感じていないでしょ。だから彼らに感動してんのよ。

だけど、もしあたしが数十億の金が入るなら、間違いなく1000万くらいちゃんと払うけどね。アルバニアの労働者にちゃんと。皮肉なことに、数十億稼ぐために1000万をケチったせいですべてを台無してしまったんだから。それも最後は受け取りようだけど。
きちんと天は見ているって?そういう話ではないとおもうけど、金があっても頭は真っ当でいろよってゆー警告と捉えておこう。

国を相手に詐欺をしたのは、20代の未来ある青年よ。青年たち、本当にこの映画みてほしい。
悪いことは悪い、それは映画みてもみなくても知っていることだろうけれど、それ理解しながらこの映画みたらきっといいビジネスマンになると思うし、そしてよい大人になると思うよ。

アナ・デ・アルマス
http://www.imdb.com/title/tt2005151/

アナ・デ・アルマス

今回のチョイスは彼女、アナ・デ・アルマスちゃん。1988年生まれ。
どこかでみたことあるなと思ったら、キアヌ・リーヴスがフルボッコされる「ノック・ノック」に出ていた超クソ悪ガキ女の子だった。「ノック・ノック」は2015年、ウォー・ドッグスの一年前。そうは思えない見違えっぷり。「ノック・ノック」のときから超かわいかったけど、たった一年でかわいさパーセンテージ増えすぎ。「ノック・ノック」のときはなかなかの悪ガキというか、本当に性根が悪い人間で、こんないい役をもらえたなんて良かったじゃない。ウォー・ドッグスではさほど重要じゃないのだけど、彼女はどんどん出世していく匂いをプンプンさせているね。あたしの希望としては、ワイルド・スピードとかにでも出てほしいな〜。もっと真面目な路線でも活躍できるかもね。