2016.2.28
天才スピヴェット
原作はライフ・ラーセンの小説「T・S・スピヴェット君 傑作集」。監督は「アメリ」(2001)のジャン=ピエール・ジュネ。
天才スピヴェットの映画情報
原題 | The Young and Prodigious T.S. Spivet | ||
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制作年 | 2013年 | 制作国 | フランス、カナダ |
上映時間 | 105分 | ジャンル | ドラマ |
映倫 | G | ||
オフィシャルWeb | 2QWvcBpaABs |
監督 | ジャン=ピエール・ジュネ |
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キャスト | カイル・キャトレット |
以下「天才スピヴェット」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「天才スピヴェット」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
天才スピヴェットのあらすじ・ストーリー
モンタナの田舎に暮らすスピヴェット一家。父(カラム・キース・レニー)はカウボーイで、10歳の息子T・S・スピヴェット(カイル・キャトレット)の天才的な学力に興味なし。あるとき、弟レイトンと遊んでいるときに事故で弟レイトン(ジェイコブ・デイヴィーズ)が死んでしまう。以来、スピヴェットは自分のせいで弟が死んでしまったと責めていた。
ある日、スミソニアン博物館からスピヴェットの発明がベアード賞を受賞した。開催される授賞式に招待され、家族に置き手紙を残し、単身で遠い遠いスミソニアン博物館へと向かう。
天才スピヴェットをみた記録
天才少年が大陸横断、天才少年が父親になりすましてスピーチ、この材料で想像するのはコメディしかないと思うのだけど、実際は泣けるし笑えるし、すきな映画のひとつになったよ。
知的で表現豊かでしあわせで感動する。あまりにもいい話で本当に泣けちゃう。
家族からの関心は一切得られないのに、スピヴェットはひねくれずに家族を愛していること、同年代の普通の頭脳をバカにしないこと、じぶんを天才とはおもわず科学に身を捧げる志があること、心優しく勇気のある子だということ、どこをとっても良い子で、そしてイヤミが一切ない。
こんなに良い子に育ったのはすこし変わった父と母、現代的な姉と弟の死、ひとつでも欠けてはいけないなにかの賜物なんだろう。
頭の良い子は肝が据わってるのかな。とても肝っ玉が大きくて、おとなしいフリしてやることは大胆、しかも淡々とこなすという。スピヴェットの特徴ではなく、天才とは言わなくとも、あたしが知っているズバ抜けて頭が良い友だちは器の大きい感じだった気がする。
スピヴェットが情熱を向けた発明だとか科学だとかもロマンがあってたのしい。一般庶民的には縁がなさすぎることなのだけど、偉人が遂げてきた科学の話や努力ということばでは表せないような苦行の末に発見した発明や、あたしの知りえない世界の話を見聞きするのはワクワクするし興奮する。
天才少年はそういう心情を表に出さないからそれがまたにくいし、母性本能をくすぐられるような気さえしてくる。打算で感情を出さないわけではなく、彼自身がそういう人間で、それ愛らしい。
そして、大自然ののどかな景色も、大自然と大都会の対比も映画をさらによくしている。