2018.4.16
キャロル
パトリシア・ハイスミスの「The Price of Salt」が原作。
ケイト・ブランシェットはこの映画でアカデミー賞主演女優賞にノミネート。その他多くの映画祭に出品されて受賞もしてる。
キャロルの映画情報
原題 | Carol | ||
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制作年 | 2015年 | 制作国 | イギリス、アメリカ、フランス |
上映時間 | 118分 | ジャンル | ドラマ |
映倫 | PG12 | ||
オフィシャルWeb | http://carol-movie.com/ |
監督 | トッド・ヘインズ |
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キャスト | ケイト・ブランシェット |
以下「キャロル」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「キャロル」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
キャロルのあらすじ・ストーリー
1952年クリスマス目前のニューヨーク。
百貨店で働くテレーズ(ルーニー・マーラ)は、娘のクリスマスプレゼントを買いにきたキャロル(ケイト・ブランシェット)の接客をした。キャロルは手袋を置き忘れ、テレーズは手袋を届けると、キャロルからランチを誘われた。
それを機にテレーズとキャロルは深い仲になっていくが、その関係を怪しく思ったキャロルの夫ハージ(カイル・チャンドラー)はキャロルからの離婚申立に対し、娘の親権を要求してきた。
キャロルは審問までの間、娘に会うことも許されないため、テレーズとともに旅に出るが。
キャロルをみた記録
1952年という時代、夫婦の間で同性愛はどう捉えられていたんだろ。現代では同性愛も認知されてきてるし、法は追いついてないにしても、同性カップルに対する否定は少なくなってる。
あたしもなんら思わないけど、だけどまだ同性との浮気や不倫が問題になっていることを聞いたことがないし、嫉妬の対象になるケースは極端に少なそうなイメージがある。
この映画のキャロルは、夫がいながら女性と恋に落ちる。これを夫は、”浮気”という言葉は一度も出てこなかったけど、娘の親権のために素行の悪い妻として訴えを起こしてた。
同性カップルが認知されている世の中だけど、やっぱりあまくみているところはある。
たとえば、彼女が女性とエッチしたとして彼氏は浮気だと言うのか?逆に彼氏が男性とエッチしたとして彼女は浮気だと言うのか?
男女で言い方に差がありそうだけど、なんとなく浮気と判断されなそうな気がする。他人の同性愛は認めていても、いざじぶんのパートナーがとなると、多くが気持ちわるいと思いそう。そして、浮気というより性癖として考えそうな気がする。
だけど、これはそんな軽い話ではない。
性癖の話でもない。
れっきとした純愛の話。そうなると、夫以外に愛している人間がいるという、まー不倫の話になる。
特にキャロルの場合は、テレーズの前にアビーとそんな関係があったから心配していたんだけども。
この映画が映画祭とかで称賛されたのはどこにあるんだろ。あんな昔にも女性が女性を愛するという素敵な物語のこと?美しくも不幸なキャロルの生涯のこと?突然同性に惹かれてしまったテレーズの変貌ぶり?
映画のタイトルがキャロルだから、きっとキャロル自身の人間性や性格を表現するために作られた映画を総合しての評価なのは間違いないんだろうけど、あたしはどちら側の女性にも感情移入することはできず、拍子抜けだった。
女性同士の恋愛だと、たしかに美しいように感じるかもしれない。ベッドシーンだって、セックスというよりは芸術みたいだったもの。
だからと言って、見惚れるなんてことはなかったけど。あたしはまちがいなく同性に愛を感じることは今後一切ないと思うから、到底理解できるものではなかった。
人は惹かれるか、惹かれないかだけだろ
理由はわからないけど、なぜか好きってことはある。逆に理由は後から追いかけて付け足すようになるもので、なにか惹かれる感情が勝手に沸き起こったりするのが先で、自然と好きになっていく。
好き嫌いをなんとなくでも線引きしているつもりだったけど、恋のように自然と落ちてしまうものは、確かに惹かれるか惹かれないか、なにかそういう瞬間的なものも含め、理由なんて思いつきもしないことってある。
それを表現すると、この映画みたいになるってことなのかな。
昔の人の人間関係がどんな感じか知らないけど、職場のひとってけっこう陰険なのね。
百貨店の従業員とうまくいっていないと思わせたかったのだろうけど、それにしても従業員の性格の悪そうなこと。陰険よね。