2019.1.16
シシリアン・ゴースト・ストーリー
原題:Sicilian Ghost Story
新宿シネマカリテでみたよ。新宿シネマカリテでは1月24日まで上映してるみたいだよ。
シシリアン・ゴースト・ストーリーの映画情報
原題 | Sicilian Ghost Story | ||
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制作年 | 2017年 | 制作国 | イタリア、フランス、スイス |
上映時間 | 123分 | ジャンル | ドラマ |
映倫 | R15+ | ||
オフィシャルWeb | http://sicilian-movie.com/ |
監督 | ファビオ・グラッサドニア、アントニオ・ピアッツァ |
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キャスト | ユリア・イェドリコヴスカ |
以下「シシリアン・ゴースト・ストーリー」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「シシリアン・ゴースト・ストーリー」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
シシリアン・ゴースト・ストーリーのあらすじ・ストーリー
シチリアの小さな村。13歳の少年ジュゼッペ(ガエターノ・フェルナンデス)が突然、姿を消した。彼に思いを寄せていた同級生の少女ルナ(ユリア・イェドリコヴスカ)は、なんの理由もわからずの失踪を受け入れられなかった。
ルナはジュゼッペの失踪の真相を懸命に追うが…。
シシリアン・ゴースト・ストーリーをみた記録
ここ最近みた映画ではダントツに怖かったし、モヤモヤが残るし、絶望的で、悲しくて、苦しい映画だった。
大絶賛の声が多いらしいけど、たしかに映画通はそうおもいそうだ。
あたしにはむつかしくて仕方なかった。ことばは少ないし、感じ取らないと理解にならないし、なにを言いたかったんだろうと思うことがいくつもあったし。
さらに、撮り方が凝りすぎていて非常に疲れる。
緊張感を与えようとしているのが返って裏目に出てるんじゃないかとおもうくらい、あたしにはストレスだったかも。
はっきり言わず表現しないことが、この映画の特徴でもあって、”夢を見ている”感じを表現していたんだと思うけど、ふだんハッキリした表現をしている映画ばかりをみているからか、じれったくて時間が長く長く感じてしまった。
なんとも品がないことがバレてしまう感じだね。
でも、この手のファンタジックな部分が多い映画って、夢と現実が入り組むのに、印をつけたりしてくれてるものが多いよね。
そのキーとなるものがわからなくて、いまは夢?いまは現実?て悩まされることが多すぎだった。
結果、すべて悲しいほうが現実だったんだけども、もしかして希望が?とおもうと、数秒後には打ち砕かれる感じで、むごい現実を知るのに遠回し遠回ししている感じだった。
フクロウはなんだったんだろうとか、ジュゼッペの母親が導いてるのはなんだったんだろうとか、最初からずっとルナに厳しい母親はなんだったんだろうとか、あたしのなかで解決していないこともたくさん。
肝心の中身はというと。
いい映画ではあるとおもうけど、小さな希望を最後に光らせてはいたけど、99パーセントは絶望的だよ。
幼いふたりが絶望の折に感じていた、一点の光。唯一の希望もやがては消えて、まさか跡形もなく関係のないクソ人間に存在を消されてしまうんだから。
恋したあの子も知ることなく、愛してくれたはずの家族にも知られることなく、跡形もなく死ぬんだ。
淡い恋があったから救われていた、なんて話はきれいごとすぎる。
他人に邪魔されたら、絶たれてしまったら、じぶんたちで作ったしあわせも無になって、思い出だとか空想だけで生きていくことになる。
夢を見ることで感じるしあわせ、そんな空想じゃなくて、現実で感じなくちゃしあわせじゃないよ。
どんな状況でも、生き絶えそうなときでも、夢でしあわせ見れたなら報われるなんて慰めって、本当なら現実で得られたらずのしあわせを他人に踏みにじられてるんだから、その踏みにじったやつに制裁がないようですごく嫌な表現だ。
なにひとつ悪いことをしていない子どもの生やしあわせを奪うなんて、そんな大人がいることが絶望だよ。
あたしにとっては、なんの希望もない映画。