2019.8.31
ミスティック・リバー
原作はデニス・ルヘインの同名小説。第76回アカデミー賞で主演男優賞と助演男優賞を受賞。
ミスティック・リバーの映画情報
原題 | Mystic River | ||
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制作年 | 2003年 | 制作国 | アメリカ |
上映時間 | 138分 | ジャンル | サスペンスドラマ |
映倫 | G |
監督 | クリント・イーストウッド |
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キャスト | ショーン・ペン |
以下「ミスティック・リバー」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「ミスティック・リバー」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
ミスティック・リバーのあらすじ・ストーリー
ジミー、デーヴ、ショーンという少年3人は、同じボストンの下町で生まれ育った幼なじみ。ある日、道で遊んでいると、警官風の男2人組にデーヴだけ連れ去られてしまう。2人組は児童虐待犯で、解放はされたが彼らに誘拐・監禁されたデーヴは心に闇を持ち、3人組の絆も次第にばらばらとなる。25年後。ジミーの19歳の娘が惨殺遺体となって発見され、刑事になったショーンが捜査すると、意外にもデーヴが容疑者として疑われる。
ミスティック・リバーをみた記録
これはなにが正解だ?だれがわるくて、だれがわるくないのか?
だれも歯向かうことがないジミー、正義を貫こうとするのか不明なショーン、無実の罪で犠牲になったデイヴ。完全にピラミッドが形成されて、モヤモヤした気持ちで映画は終わる。
特にジミーの妻アナベスが夫がもっとも偉く強いことを誇示したシーンはぶっ飛んでいて怖いけど嫌いじゃない。夫を支える妻としてのあり方は、きっとあれが正解かも。おとなしい顔をして、とんでもない肝っ玉の持ち主だった。
片や、夫デイヴを疑って、しかもジミーに疑いを伝えてしまう妻セレステ。アナベスとは真逆の性格なんだろうか、あの後の人生は完全に負け組として死ぬまで立ち直れないことが予想できるよね。夫を裏切ったような言動は理解できないけど、彼女はここまで不幸になる必要があるのか、さすがに不平等だなと同情する。
そうか、不平等だと伝えたかったのか。ひとはみんな問題を抱えているけど、それを跳ね返す器量だとか、運命だとか、いろんなことが重なっていくけど、皮肉な不平等で世界は成り立っていると言いたいのか。
もし、車で連れていかれたのがデイヴではなかったら?
そんなこと考えてもしかたないけど、ほんのひとつの運命の違いから、人の生活も性格も夢もなにもかも変わっていく。あのときからずっと不幸なデイヴは、不幸なまま死んでいく。
ジミーやショーンのあのあとの人生を知りたいかな。胸くそが悪いといえばそうだけど、本当に不平等な世の中であることは間違いないし、実際にそんな日常だれにでも起きていることなんだろう。
だれが犯人かを注目するよりも人間ドラマとしてみるほうがおもしろい映画だろうね。ミステリーに分類される映画のようだけど、ポップコーンではドラマにしておいたよ。