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2018.4.6

ある天文学者の恋文

ある天文学者の恋文

心あたたまるロマンス。いま恋愛で感情が揺さぶられているなら、感動するんじゃないかな。

ある天文学者の恋文の映画情報

原題 LA CORRISPONDENZA
制作年 2016年 制作国 イタリア
上映時間 122分 ジャンル ロマンス
映倫 G
オフィシャルWeb http://gaga.ne.jp/tenmongakusha/
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
キャスト

オルガ・キュリレンコ
ジェレミー・アイアンズ
ショーナ・マクドナルド
パオロ・カラブレージ
アンナ・サヴァ
イリーナ・カラ

ある天文学者の恋文のネタバレを含む場合があります

以下「ある天文学者の恋文」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
ある天文学者の恋文」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。

ある天文学者の恋文のあらすじ・ストーリー

天文学者エド(ジェレミー・アイアンズ)と教え子エイミー(オルガ・キュリレンコ)は恋人同士。孫までいるエドとの恋は秘密の関係だった。
しばらく会えない日々、寂しいところにある日突然エイミーはエドの訃報を知る。
驚いたことに、エドが亡くなったとされる日以降もエドからメールや手紙が届いていた。その後もエドからのメッセージは続き、エドは死を覚悟したときからエイミーへ愛のメッセージを密かに準備していた。

ある天文学者の恋文の予告動画または関連動画

ある天文学者の恋文をみた記録

愛する人に、やっぱり愛は伝えたい。じぶんがどれだけ愛してるか理解してほしい。知っておいてほしい。君をいつも想っている、常に心はいっしょ、あたしがついてるからね、と寄り添って力になれるものでもある。それで少しだけでも、その人が救われるなら、元気が出るなら、安心できるなら、というエゴな部分もあるかもしれないが、純粋にそういう想いがある。愛するひとの痛みは、じぶんの痛みになるくらい、愛する人がつらいのは自分もつらいからだ。だから少しでも支えになりたいと思う。本当に愛してるならどんなことだってできる。

だけど自分が死んでしまったら、それらが継続できない。でも死んでも愛する人の支えになりたい。そう思うのは、愛する人がいるなら自然なこと。だけど、それが足を引っ張ってしまうこともありえる。ずっと支えていたいけど、支えることで生きている人間を制限してしまうこともあるのだ。死者を忘れられず、前を向けない人になってしまうからだ。はじまりがあれば、終わりもある。もしかしたら、終わりこそ大事で、終わりこそ意味のあることなのかもしれない。

それを、この映画では天文学と結びつけた。だれもが知っていることだけど、あたしたちがみる星は何年、何万年、何億年も前に死んでしまった星が放った光。あたしたちが見ているのは星が死んでいる瞬間の光を、やっといまこの瞬間に見ることができている。それとおなしように、自分の死後も光を失わないで愛する人にメッセージを送り続けることができるなら、そのメッセージがあることで、死者に触れられなくても、側にいるような気持ちにさせることができるだろう、という考え。

あたしが死んだら、誰に愛を送ろうか。逆に、あたしを愛してくれている人は、死後あたしに愛を送ってくれるだろうか。
もちろん、心が静まったら前へ向くために愛を送るのはやめなきゃいけないけど、心細くて倒れそうになるくらい悲しいとき、絶対そばにいてほしい人を失ってしまったら、どこにいるか分からなくても触れられなくても声を聞けなくても、愛を送ってほしいと思うはず。そのあと、前へ進ために背中を押してほしいと思うだろう。

よく聞くけど、やっぱり人は死ぬと星になるのかも。