2018.3.4
善惡の刃
韓国で大ヒットした実話を元に作られた映画。
善惡の刃の映画情報
原題 | NEW TRIAL | ||
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制作年 | 2017年 | 制作国 | 韓国 |
上映時間 | 119分 | ジャンル | サスペンスドラマ |
映倫 | G |
監督 | キム・テユン |
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キャスト | チョン・ウ |
以下「善惡の刃」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「善惡の刃」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
善惡の刃のあらすじ・ストーリー
2000年に起きたタクシー運転手殺人事件、犯人とされ10年服役した元少年ヒョヌの冤罪をジュニョン弁護士が再審請求するストーリー。
善惡の刃をみた記録
2000年なんて最近のことじゃん!こんな時代にあれだけの卑劣な警察官がいたのかと信じられないくらいだね。過去を振り返るシーンは見るに耐えないリアルなもので、悪い警察官たちにヒョヌがボコボコにされるシーンが痛々しくて映画だとわかっているのに胸が苦しくなった。日本語ではないって時点で、リアル度が高くなるのは必然。仮にしゃべるとクソ大根役者だったとしても、字幕だと全然分からないから視覚だけに集中するしね。
約2時間、再審するに至るまでの、冤罪を被ったヒョヌと弁護士ジュニョンとの出会いから、当時の再現、証拠収集、目撃証言収集など、事あるごとにぶつかったりひん曲がったり、一筋縄ではいかない性格とか境遇とか人間関係とかが邪魔する2人の関係に、こっちは終始切なくなるしかなかった。
とてつもない大きな敵に、最弱の戦士がぶつかりにいくってゆー負け戦を、どう勝ちへ持っていくか、2人の根性とその努力と情けへのご褒美かのような新しい証拠とか、神様というのは非情だと思ったり、神様は見ていてくれたんだと思い直すような奇跡みたいなものだったり、とにかく波乱する。
奇跡というのは間違いか。奇跡ではなくて事実へ導かれる道を見つけた2人の功績か。
2人がいっしょに成長していく姿にはね、とっても感動させられたよ。金儲けしか考えていない性格の悪い落ちこぼれ弁護士が、まさか金のない証拠なしの自暴自棄の激弱青年を弁護する皮肉な話からはじまったのに。人はやっぱり人と関わることで道徳が生まれるものね。超性格悪い大泉洋が、ああ超性格悪いジュニョンがあれだけたくましくなるんだからな。金儲けからボランティアになり、ボランティアから法でヒョヌを助けたいに変わっていく様は見事だったと思う。
ヒョヌが少しずつこころを開いて、母親の前で笑ったりシーン、あれは泣けたね。ほかにもいっぱい泣かずにはいられないシーンがあったけども。ヒョヌが笑ったところはほんとに良かった。あたしまでうれしくなったから。
法は金持ちのためにある
映画ではよく出てくるネタではあるけど、現実の話となると見方は変わるね。法の下はだれでも平等、そう教えられたけど、社会にはまして法に近い人間たちのなかで、悪が蔓延っているなんて。
実際にその悪に負けるしかなかった人間の人生ってなんだよな。人の10年の重さ、その後の人生の重さ。愛おしい家族の10年も、その後の人生も同様に、人間みんな1秒だって無駄にしたくない命の時間があるのにな。
強い立場の人間が弱い立場の人間の人生をあやつるような、そんなクズの行いが、実は山ほどあるんだろう。埋もれてしまったもの、これから先表に出ることがないもの、知る由もないんだけど、どうか罪を着せられてしまった人が少しでもしあわせな日を取り戻せていてほしい。そして、どうか悪いことを考える人間がいなくなる世界であってほしいわ。
悪い警察官て、事実に基づく邦画で「日本一悪い奴ら」をみたことがあるけど、確かあれは昭和の頃の話。日本だってもしかしたら今すらあることなのかもしれないね。
まさかこんなに引き込まれるとは予想してなかったから、感情持ってかれるとは思ってなかったから、刺さるシーンが多くて忙しかった。多くのひとが同じようにハートに刺さりまくったとおもう。
韓国の映画ってさ撮り方ステキだね。数本しか見てない分際だけど、日本のドラマと同じような撮り方じゃなくて、ちゃんとモロ映画てかんじ。欧米の映画と同じかんじする。日本の英語はドラマみたいなイメージね。韓国映画だいぶすきになったかもしれない。
調べたところによると、キム・テユン監督は映画初監督作品ぽい。一躍有名になった監督なんだろーね。脚本も彼みたい。キム・テユン監督もただならぬクソ司法社会を覆したいとおもってメガホンをとったんだろう。じゃなきゃこんな素晴らしい2人を描くことなんてできないよきっと。
10年を失って、いま取り戻そうとしているヒョヌには複雑な話だけど、とてもいい映画だったよ。