2021.2.24
ダ・ヴィンチ・コード
ダン・ブラウンの小説「ダ・ヴィンチ・コード」が原作。続編として「天使と悪魔」(2009)、「インフェルノ」(2016)が公開。
監督は、「ビューティフル・マインド」(2001)「シンデレラマン」(2005)のロン・ハワード。
ダ・ヴィンチ・コードの映画情報
原題 | The Da Vinci Code | ||
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制作年 | 2006年 | 制作国 | アメリカ |
上映時間 | 149分 | ジャンル | ミステリーサスペンス |
映倫 | G |
監督 | ロン・ハワード |
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キャスト | トム・ハンクス |
以下「ダ・ヴィンチ・コード」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「ダ・ヴィンチ・コード」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
ダ・ヴィンチ・コードのあらすじ・ストーリー
ある日、ルーヴル美術館で館長のジャック・ソニエールが殺害される事件が起こる。遺体は奇妙な体勢で横たわり、周囲には不可解な暗号らしきものが記されていた。フランス司法警察のファーシュ警部は、講演のためパリに滞在していたハーバード大学教授ロバート・ラングドンに協力を依頼、事件現場に呼び出す。宗教象徴学の権威であるラングドンはさっそく暗号の解読を始めるが、この時警部はラングドン自身をこそ疑っていた。そこへ、暗号解読官ソフィー・ヌヴーが現われる。ラングドンが無実で、事件解決には彼の力が不可欠だと確信する彼女は、直後、ある驚きの行動に出るのだった…。
ダ・ヴィンチ・コードをみた記録
ロバート・ラングドン教授が歴史講座をしながら謎を解いていくミステリーサスペンスの第一弾。サスペンス要素よりも天才的解読能力と知識の深さがとにかくおもしろいよね。ふだん、ぜんぜん小説を読まない知的さのカケラもなく人間性が低いあたしですら、映画をみたあとに原作を読んだ。
特に日本人であるあたしにとっては、宗教紛争なんてこれっぽっちも理解できないし、これからもほぼ関わることがなさそうだから、なにもかもが新鮮。キリスト教と芸術家や芸術作品たちになにかしら関係があるなんて想像もしないことだったわけで、あまりにも身近で有名な遺産の多くが宗教に関わっているということに衝撃を覚えるわけよね。
当然、我が国では仏教なのだけど、お墓に火葬されることがほとんどの今日、それは宗教上というよりは、単なる風習のほうが呼び方は正しいだろうし、キリスト教徒でもないのに結婚式でアーメンなんて言う、ミーハーというかバカというか、だけど日本では本当の僧侶たちも神父たちも特に信じていないのに仏像に手を合わせるなとかアーメンて言うななんて言わない。つまりこれは、商売だからなのだと思っている。ピーマン大嫌いなひとにピーマンを売るし、シャンプー欲しいひとがハンドソープを買おうとしても売るし、とにかく売り上げればいいってことなんだろう。そうすればお寺はお金が入るし、神父も呼ばれてお金が入る。
と、これくらいのものと考えている人間からすると、最初から最後まで驚きの連続なわけだ。『なにを信じて生きていくか』を決めているひとの多さ、それに誇りを持っているひとの多さ、生きていくうえで重要度がとても高いこと、それを何百年と続けていること、残していること。そして、驚くだけではなくてロマンも感じてしまうこと。
フィクションとノンフィクションと、いろいろが入り混じっているようだけど、ほぼノンフィクションなんだろうって信じて、ドラマチックに解釈をしてしまったあたしは作り手からしたら最高の観客だろうな。
あたしが生きている今もどんどん過去になり、いつかは歴史になる。こんな壮大なドラマはぜったいに生まれないけど、こうやって積み重なる人類のひとつとしてなにか残したいな〜なんて憧れも生まれた。
映画としての見方としてはずいぶん横道に外れてしまったけど、ミステリー要素たっぷりで見応えは十分。ハラハラというよりはふむふむ、ドラマチックな展開をラングドン教授と楽しむ傑作のひとつだね。あたしはたぶん今回で5回はみてる気がする〜。