2018.4.27
おとなの事情
タイトルだけみると不倫な話なんて想像してしまうけど大丈夫。
もっとおもしろいものが待ってるから。強いて言うなら、カップルや夫婦でみるのは微妙かな〜。女性は大いにたのしめると思うよ。
“おとなの事情”の本当の意味とは。
おとなの事情の映画情報
原題 | Perfetti sconosciuti | ||
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制作年 | 2016年 | 制作国 | イタリア |
上映時間 | 96分 | ジャンル | コメディ |
映倫 | G | ||
オフィシャルWeb | http://otonano-jijyou.com/ |
監督 | パオロ・ジェノヴェーゼ |
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キャスト | ジュゼッペ・バッティストン |
以下「おとなの事情」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「おとなの事情」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
おとなの事情のあらすじ・ストーリー
ある夜、ロッコ(マルコ・ジャリーニ)とエヴァ(カシア・スムートニアック)の自宅へ集まった親友とそのパートナーたち。夫婦3組と恋人を連れてこれなかった1人の7人でいつもの食事会がはじまった。
隠し事なんてないと言っていたみんなは、携帯電話をテーブルにおいて、これから鳴るすべてをみんなに見せるゲームがはじまった。
電話やメールが鳴ることで、次々にみんなの隠し事がバレていくが…。
おとなの事情をみた記録
互いの携帯を見ても、別れずにいられるかしら?
このひと言から事ははじまる。
それまでは、イタリア人の日常を切り取っただけの、なんらふつうの映像。映画というより映像。
このひと言から、日常が一変する。
おとなには大なり小なり秘密があるもの。だからと言って信頼しているパートナーを疑う必要はない。知らなくていいことがたくさんあるということは、知らないならしあわせだってことを言っているんだとおもう。
親友夫婦が3組と彼女が来れなかった男性ひとり。計7人が集まった食事会で、別名ブラックボックスの携帯電話をさらすなんてまちがいなくありえないことだけど、実際にもししたとしたらこうなるんだろう。
あのひと言までも、他人の日常を垣間見るかんじがしてたのしかった。時間にしたら数十分だったのでその具合もちょうどよかった。当然、あれ以上続いてたら激しくつまんないだろうし…。
それぞれの抱えている秘密は様々で、豊胸をしようとしていたり、年頃の娘にコンドームを密かに渡していたり、元彼と連絡をとっていたり、浮気して子どもができていたり、会ったことない人とノーパンでゲームしていたり、売春婦とエッチな写真やメールをしていたり、ゲイだったり。
みんな見事にパートナーに隠していた秘密があった。さすがに秘密のヤバさレベルの高低があるけど、当たり前にだれにも知られたくないから秘密にしているんだ。
もしそれを知ってしまったら、おそらくほぼ悪いことにしかならない。つまり、パートナーの携帯電話なんてみるべきじゃない。
その秘密のおかげで関係が成り立っているのかもしれない。
あたしは恋人の携帯電話なんて見たことないし、これから先も見ることはない。疑ったことすらない。万一なにかしていたとしても、盗み見ることも同罪だとおもうし、なにより知らなければ無だ。
いっしょにいるとき、しあわせならそれでいい。
だから彼氏の携帯電話みた話をするだれかの彼女が信じられない。むしろちょっとバカだとおもってる。
彼氏との戦争を自ら起こしにいくんだからすごい。災いをじぶんから取りにいくんだからすごい。
だから、みんなの携帯電話を見ようゲームをおっぱじめたあの女性エヴァがアホとしか思えなかった。
そりゃー娘も反抗するよとおもったもんなー。
そして、この映画は最後にお土産があった。
なにもなかったかのように、いつものしあわせな夫婦たち、親友たちで解散していった。
実はドッキリでしたとか、演劇の練習でしたとか、いろいろ考えたんだけど…、そうではなかったようで。
例のゲームを言い出したエヴァは、解散したあと夫ロッコに「なぜあのゲームを反対したの?」と聞いた。夫は「みんな大なり小なり秘密があるもんだ」と答えた。
言い出したまでは映画で見たとおり。そのあと夫がそんなゲームはやらないでおこうと止めたんだね。だからゲームはせず、いつもの食事会であたたかく終えたんだろう。だれの秘密も暴かれることなくね。
もしそのゲームをしていたとしたら…の時間を見せていたってわけだ。
そうなってくると、なぜエヴァがあんなことを言い出したのかが気になってくる。みんなに知られることのなかった唯一の秘密を持った女だ。そう、極悪なのはおそらく彼女エヴァ。
彼女こそ、その仲間のなかで関係のある男がいて、その男がほかに遊んでいるか否かを知りたかったということなんだろう。
そして、例の言葉通り、別れてほしかったんだろう。それがつまりの”おとなの事情”だったんだろう。
その秘密以外は、たぶんただの小事。本当の”おとなの事情”を引き立たせるための、ただの小事だったんだとおもってる。
あたしの解釈はこうだったけど、ほんと複雑だね〜。たぶんこの文章、読んでても意味不明だろうな…。
映画はなんらむつかしいことはないの。ひとのピンチがたのしいだけなの。ラストまで言ってしまったけど、それでもけっこうたのしめるとおもうよ。
女性がね。女性はたのしめる。男性はきっと腹立つだろうな。
女は秘密を秘密で終わらせないから怖いね。