2018.6.30
目撃
1997年、約20年前から既におじいちゃんだったクリント・イーストウッド。いまでも現役で監督しているなんて、心底驚くバイタリティだよね。いつだか、出演することからは退き、監督や制作に専念する・・・なんて話していた記事を読んだような気がするけど、2018年現在、一向に退く様子はみられないので、まだまだ凄まじいパワーは衰えていないようです。
カテゴリー:サスペンス
目撃の映画情報
原題 | Absolute Power | ||
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制作年 | 1997年 | 制作国 | アメリカ |
上映時間 | 121分 | ジャンル | サスペンス |
映倫 | - |
監督 | クリント・イーストウッド |
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キャスト | クリント・イーストウッド |
以下「目撃」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「目撃」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
目撃のあらすじ・ストーリー
凄腕の泥棒ルーサー(クリント・イーストウッド)は、ある夜大統領の後援者サリバン(E・G・マーシャル)の豪邸に盗みに入った。
サリバン一家が旅行中のため留守かと思って侵入したが、サリバンの妻クリスティ(メロラ・ハーディン)がリッチモンド大統領(ジーン・ハックマン)を連れて帰宅し、大人のムードかと思いきや口論となり、叫び声を聞いた大統領の警護官が駆けつけ、クリスティを射殺。その一部始終をルーサーは目撃してしまった。
ルーサーは証拠のナイフを持ち、証拠を隠滅する大統領の補佐官や警護官たちから逃走したが、事件が表に出た時には、大統領たちが事実を隠ぺいし、ルーサーは犯人の疑いをかけられる…。
目撃をみた記録
冷静にはじまって、冷静に終わっていく、なんだかとてもスマートなサスペンスだった。
わかりにくい表現かもしれないけど。
危なっかしいところが一つもないんだよね。サスペンスなのに。絶対的にルーサーが無事勝利をおさめるだろうって感じまでうかがえてしまうとゆーか、たぶんこれはクリント・イーストウッドを見る目が問題なんだろうけども。そう考えると、この映画はサスペンスとしてマイナス点が多いような気もする。
でも、それはおもしろくないわけではなくて、冷静にさいごまで見届けた。
まず、ストーリーが大きい。大統領の不祥事を目撃、しかも殺人現場を目撃してしまうとゆ、淡々と話は進むけど、とんでもないスキャンダラスな話だとゆこと。
しかも目撃したのは大泥棒。話が進んでも、泥棒してるルーサーがお咎めなしなことと本人が一切泥棒する生活に後ろめたさも反省もないことはかなり気になったけど、世界的に大ニュースになる不祥事を目撃したのが大泥棒だなんてすごい話だ。
大泥棒と大統領の不祥事、補佐官や警護官たちのバカさ、どれをとってもリアリティに欠けるんだけど、おもしろかったのはクリント・イーストウッド節てやつなのかもしれない。
余韻を残すとゆか、多くを語らないとゆか、クリント・イーストウッドの例のやつだ。
しかし、親子のドラマを含めたのはいいんだけども、イマイチ娘の心情がつかめず。時に留守中のじぶんの部屋を訪れて冷蔵庫のなかを埋めたり、コスプレして登場したり、娘としてどんな心境やねんとツッコミたくなる。
そもそも、泥棒やってる父に呆れかえっている最初の登場シーンが帳消しになったかのような、娘の手のひら返しはなんかみている側としては複雑だった。
いつもそばにいてくれなかった父親を憎んでいたけど、実はいつも見守ってくれていた…事実を知って、泥棒の父を受け入れただなんて、ずいぶん気持ちの切り替えが早いこと。
さらにまた泥棒して、殺された女性になにもしてやれなかったことを後悔している父親をみる眼差しは、それは道徳があるかもしれないけど、まず泥棒癖をどうにかしようぜお父さん!となるべきだ。
父と娘の絆みたいなものがひん曲がっているようで、イマイチつかめず、むしろ叱ってやりたくなったほどだったな。
たくさん思うところはあるけど、淡々と進むサスペンス、ぜんぜん悪くはないんだけど、おもしろいわけでもない絶妙な可もなく不可もなくぶりだったね。