2019.3.16
ウィンターズ・ボーン
原題:Winter's Bone
2010年の第83回アカデミー賞作品賞や主演女優賞、助演男優賞などノミネート、そのほかの映画賞でも受賞やノミネート。ジェニファー・ローレンスが「ハンガー・ゲーム」(2012)で大ヒットするけど、その前にも高評価された映画みたいだね。
2006年の同名小説が原作なんだって〜。
ウィンターズ・ボーンの映画情報
原題 | Winter's Bone | ||
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制作年 | 2010年 | 制作国 | アメリカ |
上映時間 | 100分 | ジャンル | ドラマ |
映倫 | PG12 | ||
オフィシャルWeb | http://www.wintersbonemovie.com/ |
監督 | デブラ・グラニック |
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キャスト | ジェニファー・ローレンス |
以下「ウィンターズ・ボーン」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「ウィンターズ・ボーン」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
ウィンターズ・ボーンのあらすじ・ストーリー
ミズーリ州の田舎町、弟と妹の面倒と心を病む母親の面倒をひとりでみている17歳のリー。父は行方不明で、苦しい生活を送っていた。
父は麻薬密造で逮捕され、その後保釈されたものの行方をくらまし、裁判に出廷しないと保釈金の担保としていたリーたちが住む家や所有する山を手放さなくてはいけない状況だった。
幼い弟と妹、本当なら頼れるはずの母も心を病み、リーが背負うしかなかった。父を出廷させるため、リーはひとりで父を探しはじめるが、リーたちが住む田舎町は、警察ですら黙認する”掟”が絶対の世界で、子ども相手にも容赦ない仕打ちの恐ろしい町だった。
掟がもっとも尊重される町ということは、もちろん理解していたリーだけど、家族を守るために、父親の行方を方々に聞いてまわった。
助けてくれるはずの叔父や近所の大人たちも、掟が優先される町では決して優しいわけがなく、彼女は大人たちから罵声を浴びせられながら、傷つけられながらも諦めずに父親を探し回った。
父親の行方を知っているであろう町のボス的一家に頼み込むも追い払われ、手掛かりがない状況となったとき、どんなにされても諦めることがないリーをみて哀れに思ったのか、叔父ティアドロップが、実は父親は死んでいることを教えてくれた。
父親が死んでいるのなら、今度は死んだ証拠があれば、担保を奪われないで済むことがわかり、今度は父親の遺体探しがはじまった。
駆け回るリーに、町のボス的一家の奴らが遺体の場所を教えてくれた。彼女たちに連れられ、父親が捨てられた場所へ向かった。遺体は池だか湖に捨てられていて、父親が死んだ証拠に、腕を切って持ち帰った。
裁判所に父親の腕を提出するが、すぐにはそれが父親のものかの判断がつかないため、調べられることになった。
しかしその直後、保釈保証人が現れ、担保の不足分を名乗らない人物が支払ったと聞かされ、リーたちは住む家を奪われずに済んだ。
ウィンターズ・ボーンをみた記録
リーが家族を守るために諦めずに駆け回り、その努力が報われたストーリーだけど、とても謎が多くて本気モードになれなかった。謎は謎のままで、ストーリーを見ていればわかることだったのかもしれないけど、そのヒントを拾うこともできなかった。
なによりも大事な掟もよく分からなかったし、父親を殺したやつらが根負けして父親の遺体のありかを教えた意図も理解できない。無法地帯の話はよくあるけど、ここまでみんなが黙りこくって納得しているのも恐ろしいけど、それ以上にバカバカしいとおもってしまった。
17歳がふつうなら背負うはずのない責務を持ってしまっていることは痛々しくて悲しくて、応援したい気持ちにはなるけど、彼女が諦めずに父親を探し続けたエリアも、たぶん豊島区内くらいの範囲なんだとおもうとなんかちょっとスカす。
そんなことは重要ではなくて、殴られても脅されても家族を守るために這いずり回り続けたことが大切なことなんだろうけど、ちょっとエピソードは物足りないんじゃないかと不満だったり。
「ウィンターズ・ボーン」というタイトルは、冬の骨で、遺体の腕を切り取ったシーンがあることから父親の腕にかかったもので”冬の骨探し”なのかとおもったけどそうじゃなかった。
アパラチア地方に古くからある表現(冬の骨を見つけた犬が穴を掘る様)から取ったもので、主人公リーのように探しものを見つけるまで決して諦めないという意味があります。
なんだって。なるほど〜。
このネタバレサイトをみると、謎は謎のままだと言っていたところが明らかになった。あたしちゃんとみてなかったのかな〜。
ひとつ、牛のオークション会場にいるときのシーン。サンプを見つけて話をしたいと呼び叫ぶリーのどうしようもなくもがき苦しむ気持ちを、牛たちの鳴き声で表現されているようで、子どもなのに保護者の役割をせざるをえない彼女の悲痛な叫びがうかがえた。あのシーンは映画としてかっこいい表現だったな。
あとね、この前みた「ウィンド・リバー」(2017)の感じがあるね。閉鎖的な町のルールに縛られた生活がね。「ウィンターズ・ボーン」がたのしめたひとには「ウィンド・リバー」(2017)おすすめだよ。